音階練習 - アーティキュレーション1 -

音階練習の王道と言えば、タファネル/ゴーベール:17のメカニズムの日課大練習課題です。ルデュック版と、フルートクラブ名曲シリーズ版とあるようです。

音階練習というと、何だか"THE退屈"なイメージがあるようですが、効率良く効果的に練習すればとても意義ある練習が出来ます。この本は全くの初心者向きではないですが、ある程度吹けるようになったら効果があります。あまり子供過ぎると、難しいかもしれません。特別上手な子なら小学校高学年位、普通は中学生位からじゃないかと思います。最初の方に毎日どのように練習するかというのが書かれていますが…これを全部こなせる人は中々いないでしょうから、自分也にこなすことをお勧めします。この本のとても良い練習方法は、何回か紹介していますが小泉剛先生著書のフルート演奏の基礎に載っています。

ここでのテーマは”アーティキュレーション”なので、アーティキュレーションの練習としてどのように使えるかというのをお話します。

アーティキュレーションとは、スラーやタンギングなどの組み合わせによって出来るもので音楽の表情、メリハリを作ります。フランス語では、アーティキュレーションは体の関節の事だったり、ハッキリ話すことを”アーティキュレーションをしっかりと話す”などと言ったりします。

同じ単語、例えば

”頑張ろう”

も、大きな声でハッキリ言えば、”張切ってるな”という意志は伝わってきます。でも小さい声でゴモゴモといえば、”仕方ない・・・がんばるしかないか”という諦めにも聞こえます。
アーティキュレーションは音量と同等に、音楽に表情を与えることが出来、フルート音楽にとって、とても重要な所を締めているのです。最高に上手に聞こえる人は、タンギング技術が素晴らしいとも言えます。タンギングとは、ただひたすらGOGO!で速く出来れば良いというものでもないのです。


このタファネル/ゴーベール:17のメカニズムの日課大練習課題教本の中には、同じ音階を幾つかのアーティキュレーションで練習しろとあります。




これは言ってしまえば、同じ音をいくつかの違う表情で練習しろと言っているものです。そんな事をちょっと意識しながら練習してみましょう。

3番からは、わざわざスタッカートが打ってあります。適当に、なんとなくこんな感じのアーティキュレーションではなくて、きっちり(強くという意味ではないですが、リズムも転ぶ事なく、指とタイミングよく合わせてクリアに、という意味です)とこのアーティキュレーションで吹いてみて下さい。スタッカートはその音だけでなく、前の音とも離されるので、スタッカートのついている前の音も、若干短くなります。特に、五番のアーティキュレーションなどは、2つ目の音がかなり短くなります。
これを一つの調で、下から上まで行くとかなりの集中力度が必要とされます。低音域がまだ不安定と言う人は、ソ位から始め上に上がり、ソから下に下がってくると良いかもしれません。







ルデュック版












フルートクラブ名曲シリーズ版


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