今回はちょっとお話を変えて、現代奏法。
現代奏法の中ではフラッター同様良く使われている奏法で、現代まで行かなくとも近代位から使われているかもしれません。ちょっとパイプに空気が通ったような、幻想的な音がして、然程難しくなく皆が出来るので、よく使われるのかもしれません。
ハーモニックスは倍音ということなのですが、言ってしまえば、フルートの中音域の音も倍音で出しているので、そういう意味では既に知っている奏法ということになりますね。最初の要領は、つまり低音のミ〜シと中音のミ〜シの吹き方の違いが分かれば、何となくは分かっているということになるわけです。
この練習は高音域のキンキンカンカンに悩んでいる人にはお勧めですし、ピッコロ高音域のチューナーの振り切れ度が半端ないんですという人にもお勧めです。My ピッコロを初めて手にしたのは確か大学3年の頃。当時オーケストラのピッコロ奏者であった先生に、ピッコロはまずはハーモニクスをうんと練習すると良いよと言われました。吹奏楽部などでピッコロを吹く皆さんは是非練習してみて下さい。
一番簡単な練習方法は、トレバー・ワイ フルート教本 1 音づくり(参照ページ)にも載っています。低音域のドの指使いで、中音のド、ソ、高音のド、ミ、ソまで出るという練習です。この他にも、簡単なミニエクセサイズがついています。ミニエクセサイズの方になると、少し難易度が上がります。
トレバー・ワイ フルート教本1 音づくり より |
ハーモニクスが何故”音作り”の教本に入れられているかというと、唇のしなやかさ、息のコントロール技術、空気圧の調節とでも言いましょうか、それら音を作る上で大事な条件能力の向上に役立つからでしょう。
中音域&高音域を唇に頼りすぎていると(口の締め具合だけで出していると)、上のハーモニクスの高音域のミからは厳しくなってきます。ブブブっ!っと口が言ってしまうかもしれません。息&空気圧(お腹)の支えが大事になってきます。ピッコロはドがないので、レやミで練習します(ハーモニクスの音も全音、2音上がります。高音域は相当難しいです。)
ちなみにハーモニクスとは倍音なので、例えば高音の”ド”を吹いても、指使いの音である”低音のド”が何となく聞こえるのです。この何となく聞こえるというのが重要で、”全く聞こえない。正規の指使いと変わらなく聞こえる”場合は、かなり口に頼って出している音なのです。
ハーモニクスは大体出来るという上級者の方にお勧めなのが、【ウィル・オッフェルマン】現代フルート奏者のためにです。他にも色々な奏法が載っています。ハーモニクスは中々楽しい曲になっていますが、スピードに乗って吹くと、最後に難関があって中々面白いです。是非お試しあれ。
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